2022年の夏の甲子園は、第13日目(8月20日)に準決勝が行われ、仙台育英と下関国際が勝利し決勝進出が決まりました。
決勝は8月22日の14時から始まります。
仙台育英と下関国際はいずれも初優勝を懸けて戦います。
では試合に先駆け、気になる決勝の見どころをおさえておきましょう。
投手力が抜群の仙台育英
まずは準決勝の戦評からおさらいしておきましょう。
仙台育英は0-1と1点ビハインドの2回、打者14人の猛攻で11点を奪い試合をひっくり返します。
その後も攻撃の手を緩めず19安打18得点と打線が爆発しました。
聖光学院は初回1点を先制するも2回に逆転を許します。
その後1-15と14点ビハインドの6回に3点を返し食らいつくも1歩及ばず、仙台育英が東北勢対決を制し決勝進出を果たしました。
仙台育英は7年ぶり3度目の夏の甲子園決勝進出。
期待が大きいだけに選手たちのプレッシャーも重くのしかかっていることでしょう。
仙台育英は決勝前日の21日、午前10時ごろから決勝に向けての最後の調整を甲子園球場で行いました。
球場は、昨夜降った雨の影響でグラウンドで練習ができませんでしたが、須江航監督が選手たちを集め、ランナーや打球をイメージして走塁の確認を入念に行いました。
そのあと選手たちは、外野の芝生でキャッチボールを行い、準決勝で登板がなかったエースの古川翼投手など140キロ台のストレートを投げる5人のピッチャーが力強いボールを投げ込み、調整を行いました。
また下関国際対策として、下関国際のピッチャー古賀康誠投手と仲井慎投手を想定して、2人の投げ方やボールが似たピッチャーを相手にバッティング練習を行うなど、入念な準備をして決勝に臨みます。
仙台育英の須江航監督は、チームの状態について
「選手たちは興奮しすぎることもなく、あすが甲子園の決勝とは思えない、いつもどおりの雰囲気で練習できました」と話します。
また、対戦する下関国際について「互いに粘り強さが持ち味のチームなので、これまでで一番苦しい試合になると思います。選手たちが疲れてくる後半まではあまりチャンスがないと思うので、そこまでなんとか粘って諦めずに戦いたいです」と話しました。
そして、キャプテンの佐藤悠斗選手は決勝に向けて
「いつもどおりにできれば、勝利は見えてくると思います。県大会から一戦必勝でやってきて、これまで東北勢が優勝できていないので、一番大きなチャンスはことししかないと思います。歴史を変えてやるんだという気持ちで試合に臨みます」と強い意気込みを話しました。
勝つごとに強くなる下関国際
下関国際の準決勝は近江との対戦でした。
下関国際は1回、仲井慎選手のタイムリーヒットで1点を先制。
続く3回に相手のワイルドピッチで2点目をあげました。
このあと同点に追いつかれるも、6回、1アウト満塁のチャンスで森凛琥選手が2点タイムリーツーベースを打って再びリードを奪います。
7回は犠牲フライ、8回には連続スクイズなどで追加点をあげ、近江を突き放しました。
投げては、2回途中にショートの守備から2人目としてリリーフした仲井選手が、4回以降近江に得点を与えませんでした。
チャンスを確実に得点にし、ピッチャーの好投が勝利に繋がった素晴らしいゲームに、多くの注目が集まりました。
山口県勢としての決勝進出は37年ぶり。
そして64年ぶり2度目の優勝を目指して戦います。
勝つごとに強くなる下関国際の実力に期待したいところ。
そして下関国際も仙台育英と同じく、決勝前日の21日午前11時半ごろから、決勝に向けての最後の調整を甲子園球場で行いました。
外野の芝生でランニングを行ったあと、バッテリーと内野手、それに外野手にわかれてキャッチボールをし軽めの調整。
この大会で4試合すべてに先発している古賀康誠投手は、入念にダッシュを繰り返したあと、およそ40メートルの距離でキャッチボールを行いました。
1球1球フォームを確認しながらのキャッチボールで、入念な準備を行なっていました。
また準決勝で2人目に登板した仲井慎選手は、キャッチボールは行わず、ランニングやダッシュなどの軽めの調整となりました。
下関国際の坂原秀尚監督は、明日の決勝に向けて
「2005年に就任した当初は、部員も11人とギリギリで、グラウンドには草が生え道具もそろわない状態でした。そういう状態から18年間ぶれずにやってこれたのは、指導できる選手がいてこそなので、あすは卒業生の思いも背負って戦い、優勝して帰りたいです」と話します。
前日練習では、エースの古賀康誠投手に、「投げるときの体重移動が速く軸足の“ため”ができていない」と指摘。
打線が怖い仙台育英対策として、入念に指導をしていました。
古賀康誠投手は決勝を前に、
「甲子園で勝つことを目標に練習してきました。日本一を取りたいです」と強い意気込みを話しました。
そして「甲子園の決勝のマウンドは、先輩たちが一度も立ってない舞台ですが、自分が投げて勝つイメージを持っています。自分が思ったとおりの投球をしたいです」と引き締まった表情で話しました。
明日の決勝見どころは
連日の暑さで疲労が蓄積するなか、投手層が厚い仙台育英が優位だと思われます。
仙台育英は5人の投手の継投でこれまで4試合を戦い、勝ち上がってきたチームです。
対する下関国際は、古賀康誠投手と仲井慎投手のピッチングがカギになりそう。
準決勝では古賀康誠投手の立ち上がりが悪かっただけに、最後の調整と勢いをそのままに戦ってもらいたい。
果たして優勝旗を手にするのはどちらの高校になるのでしょうか。
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